81

5月20日は、父の誕生日である。

生きていれば、満81歳であった。

昨年の6月、80歳の誕生日から3週間足らずで、父はこの世を去った。

およそ8ヶ月の入院生活の果て、6月8日早朝のことだった。

病院から連絡をもらって駆けつけたときには、虚ろに目が開いたまま、すでに意識が無く、虫の息だった。

手をにぎると、少しだけ握り返した気がしたが、意識があったのか、単なる神経の反射だったのか分からない。

7:20AM、私に手をにぎられたまま、父はゆっくりと息を引き取った。


死は、唐突だ。

正直、まったく心の準備は整っていなかった。

今でも、後悔ばかりが心をよぎる。

その後悔が、自分の身勝手な思いに過ぎないことは、否めない。


しかし。

私は今、生きている。

先に亡くなった父に、生かされたのだと思う。


お父さん、ありがとう。

お誕生日、おめでとう。

またいつか、口げんかしような。

0コメント

  • 1000 / 1000