イーハトーヴの夢カレー

まぁ、20代後半のことだから、ずいぶん昔のことだ。
倉敷市児島で、MASALAという手作りカレー専門店があって、人事課の後輩に連れられてお昼に食べに行った。
確か、カウンターのみの狭いお店で、店主はおばあちゃんだったように思う。
野菜を煮込んだやさしい味わいのルーに、何を具として組み合わせるか、選ぶようなメニューだったかな?
ボクは確か、牛肉のカレーを選んだ。
牛肉のステーキをカットして、ライスの上にトッピングして、カボチャ・メインの野菜のルーをかけていただく。
当時は、まだ若くて濃い味のコッテリした食事が好きだったボクは、アッサリしたカボチャのルーに、ちょっと物足りなさを覚え、その後MASALAには行ってなかった。

今日、久しぶりに近くを訪れたので、うろ覚えの店の場所まで来たところ、ドアにMASALAの文字が見えたが、もうとっくに閉めた後のようだった。
ちょっと残念に思いながら、隣のカフェに入ると、何やら見覚えのあるメニューが・・・なんか、MASALAのカレーっぽい。
エスニック・ドライと野菜ルーの組み合わせの夢カレーを注文。
果たして・・・やっぱり、MASALAの野菜ルーだ。
20年以上の歳月は、このマイルドなルーを堪能するのに十分な、ボク自身の熟成をもたらしていた。

美味しかった。

たぶん、今でも、若い人には物足りないかもしれない。
しかし、こんなカレーが長らく続いていることに遭遇し、ボク自身の世間の狭さを改めて思い知らされた。
世の中、いろんな価値観があっていいと思えるステキな再会。
食後のコーヒーも、ほろ苦くてボク好み。
また、忘れないうちに、再訪したい。

支払いを済ませてお話しを伺ったところ、まだあのおばあちゃんが、80歳を超えた今もルーを作っているのだと。
いつまでも、お元気で、やさしく美味しいカレーを作ってくださいね。

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