夜は、人を、狂わせる

ほぼ、徹夜明け。

なんでこうなったかは、ここでは詳らかに出来かねるのであるが、オトナ達の道理のタガが緩んだ夜に、ほんの少しばかり傷ついた、いたいけな少女の泣き顔に、飛び切りキュートな笑顔を取り戻すため、一晩中奔走していたのだ。と、書いたら、少しはハメットのように、粋なオトコになれるだろうか?・・・なんてな。

実際は、そんなカッコ好いハナシじゃあない。

少しオトナになった少女が、泣き顔から笑顔になったのを、目撃したのは確かだけれど、それはボクのお手柄じゃあない。
涙が止まらない彼女とオロオロと戸惑うボクの前に颯爽と現れた、ヒーローのおかげだった。
ヒーローは、たっぷり時間をかけて、彼女を笑顔にさせると、再び颯爽と立ち去って行った。

粋だなぁ、と、ため息ひとつ。

夜は、ほんの少しばかり、ココロのタガを緩めてしまうのかも知れない。
彼女を泣かせたオトコも、タガが緩んで、つい言ってはならないコトバを、彼女に投げつけてしまったんだろう。
悪意は無かったと信じたいけど、神ならぬ身のボクには分からない。

夜が明けて、暖かな日射しにさらされたら、夜の垢は全部洗い流すことだ。

キミには、笑顔が、とっても似合っている。

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