ハッキリ言ってイイですか?
と言いながら、あなたは一所懸命に一つひとつ言葉を選びながら、ボクをなんとか説得しようとしてたんだと思う。
時間を戻して、前に戻りたい。
前のボクに戻ってほしい。
それは、単なる〝上司〟という記号に戻って欲しい、そういう願い。
上司部下の関係以外、無関係ということ。
友だちになることすらできない、そういうこと。
ボクがもし、『好き』と言ってしまったら、上司部下ですら、今までどおりなんて言ってられない関係になってしまう。
あなたは、きっと、それだけを避けたい一心で、ボクから『好き』というコトバを吐き出させないように、一所懸命に言葉を選んでいたんだろう。
その気持ちを思うと、ぎゅっと胸が締め付けられ、どうしようも無くなってしまってた。
きっとボクの顔は、今にも泣きそうなのを堪えて、イビツな笑みをたたえていたに違いない。
ボクの『好き』は、行き場を失ってしまった。成仏させてやることもできないまま。
伝えきれなかったコトバをぐっと飲み込んで、変なテンションのまま作り笑顔で強がる、痛々しい上司を演じ続けるだけなんて…
さよなら 大好きな人
初めて大好きになった人
(フィクションだよ)
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